詳解Swift改訂版(08)〜クラスと継承

2017. 02. 05
この記事は詳解 Swift 改訂版(初版第1刷)を元に、Xcode 8.2.1(Swift 3.0.2)下における差異を記述しています。



CHAPTER 08 クラスと継承



●8.1 クラス定義


・継承とメソッド呼び出し

List8-8 において、クラス A の関数 myclass の定義でエラーが出ます。

self.dynamicType.who()    // '.dynamicType' is deprecated. Use 'type(of: ...)' instead

Qiita/Xcode 8 Release Notes 日本語翻訳メモ」によると、Swift 3 で .dynamicType プロパティは廃止になり type(of:) 関数が追加されたようです。

これに関しては「Xcode 8 Release Notes(Xcode 8.0/Swift/New Features)」に、その旨の記述があります。

「dynamicType キーワードは Swift から削除されました。
その代わりに新しいプリミティブ関数 type(of:) が言語に追加されました。
式の方を取り出すために .dynamicType メンバを使用している既存のコードは、この新しいプリミティブに移行する必要があります。
sizeof と共に .dynamicType を使用しているコードは、
SE-0101で提供されている MemoryLayout 構造体に移行する必要があります。
(
SE-0096) 」

したがって myclass の定義は以下のようになります。

type(of: self).who()



●8.3 継承とサブクラスの定義


・クラスのメタタイプ

List8-18 において、上記の通り .dynamicType プロパティは廃止になったので type(of:) 関数に差し替える必要があります。

なおメタタイプについての詳細は「The Swift Programming Language (Swift 3.0.1): Types」で解説されています。


メタタイプ型

メタタイプ型はクラス型を含む構造体型、列挙型、そしてプロトコル型など、あらゆる型を表します。

クラス、構造体、または列挙型のメタタイプは、型名の後ろに .Type と続けます。
プロトコル型(実行時にプロトコルに準拠した具体的な型ではない)のメタタイプは、プロトコル名の後ろに .Protocol と続けます。
例えば、クラス型 SomeClass のメタタイプは SomeClass.Type、プロトコル SomeProtocol のメタタイプは SomeProtocol.Protocol となります。

値として型にアクセスするには接尾辞 self 式を使うことができます。
例えば SomeClass.self は SomeClass のインスタンスではなく SomeClass 自体を返します。
そして SomeProtocol.self は実行時に SomeProtocol に準拠した型のインスタンスではなく SomeProtocol 自体を返します。
以下の例で示すように型のインスタンスを伴って type(of:) 式を使用すると、インスタンスの動的なランタイム型の値としてアクセスすることができます。

class SomeBaseClass {
    class func printClassName() {
        print("SomeBaseClass")
    }
}
class SomeSubClass: SomeBaseClass {
    override class func printClassName() {
        print("SomeSubClass")
    }
}
let someInstance: SomeBaseClass = SomeSubClass()
// コンパイル時の someInstance の型は SomeBaseClass ですが、実行時の someInstance の型は SomeSubClass です。
type(of: someInstance).printClassName()
// "SomeSubClass" と出力

同一性演算子( === と !== )を使用して、インスタンスの実行時の型とコンパイル時の型が同じかをテストします。

if type(of: someInstance) === someInstance.self {
    print("someInstance の動的および静的型は同じ")
} else {
    print("someInstance の動的および静的型は異なる")
}
// "someInstance の動的および静的型は異なる" と出力

その型のメタタイプ値から型のインスタンスを構築するにはイニシャライザ式を使用します。
クラスのインスタンスの場合、呼び出されるイニシャライザには required キーワードを指定するか、final キーワードでクラス全体を指定する必要があります。

class AnotherSubClass: SomeBaseClass {
    let string: String
    required init(string: String) {
        self.string = string
    }
    override class func printClassName() {
        print("AnotherSubClass")
    }
}
let metatype: AnotherSubClass.Type = AnotherSubClass.self
let anotherInstance = metatype.init(string: "some string")



●8.4 解放時処理


・解放時処理とデイニシャライザ

List8-19 において、読み込むファイルのポインタ fp の定義でエラーが出るようになりました。

var fp: UnsafeMutablePointer<FILE> = nil    // error: nil cannot initialize specified type 'UnsafeMutablePointer<FILE>' (aka 'UnsafeMutablePointer<__sFILE>')

Qiita/Xcode 8 Release Notes 日本語翻訳メモ」によると、Swift 3 から null になる可能性のある UnsafePointer はオプショナルを使うようになったようです。

これに関しては「Xcode 8 Release Notes(Xcode 8.0/Swift/New Features)」に、その旨の記述があります。

「UnsafePointer、UnsafeMutablePointer、AutoreleasingUnsafeMutablePointer、OpaquePointer、Selector、そして NSZone 型は、現在 null にならないポインタ(つまり決して nil にならないポインタ)を表します。
現在 null になる可能性のあるポインタを表すには、例えば UnsafePointer<Int>? のようにオプショナルを使用します。

C からインポートされた型で(int * など)非オブジェクトのポインタは、現在 null 可否を考慮しています。

  • _Nonnull または NS_ASSUME_NONNULL_BEGIN/_END ブロックでマークされたポインタは、非オプショナル値として取り込まれます。
    例えば NSInteger * _Nonnull は UnsafeMutablePointer<Int> として取り込まれます。

  • _Nullable としてマークされたポインタはオプショナル値として取り込まれます。
    例えば NSInteger * _Nullable は UnsafeMutablePointer<Int>? として取り込まれます。

  • _Null_unspecified としてマークされたポインタ、または NS_ASSUME_NONNULL_BEGIN/_END ブロックの外にある注釈なしポインタは暗黙的開示オプショナル値として取り込まれます。
    例えば NSInteger * _Null_unspecified は UnsafeMutablePointer<Int>! として取り込まれます。

    Swift 標準ライブラリは一致するように調整されています。

    問題が起こる可能性の一つは、C の変数を使用する関数に null になる可能性のあるポインタを渡すことです。
    Swift はこれを直接には許可しませんが、代替の回避策として次のようにポインタサイズの整数値として渡すようにしてください。

    Int(bitPattern: nullablePointer)

    取り込んだポインタの "pointee" 型(例えば id * の id )は、たとえ注釈が付いていても常に _Nullable であるとは想定されません。
    ただし pointee 型の _Null_unspecified の暗黙的または明示的注釈は、引き続きオプショナルとして取り込まれます。
(SE-0055)」

したがって fp の定義は以下のようになります。

var fp: UnsafeMutablePointer<FILE>? = nil

またファイルから読み込んだ文字列を格納する変数 s の初期化でもエラーが出ます。

var s = String(UnicodeScalar(ch))    // error: 'init' has been renamed to 'init(describing:)'


これは「詳解Swift改訂版(05)〜基本的なデータ型」の「5.3 文字列と文字/UnicodeScalar 型」で述べたように、Int 型を引数とした UnicodeScalar 型のイニシャライザの返り値はオプショナル型になるためで、開示する必要があります。

var s = String(UnicodeScalar(ch)!)


その後に文字列を追加する append() でもエラーが出ます。(開示修正済み)

s.append(UnicodeScalar(ch)!)    // error: 'append' is unavailable: Replaced by append(_: String)


これも「詳解Swift改訂版(05)〜基本的なデータ型」の「5.3 文字列と文字/UnicodeScalar 型」で述べたように、append() の引数が UnicodeScalar 型に対応しなくなったためで、String 型のイニシャライザを使う必要があります。

s.append(String(UnicodeScalar(ch)!))

関数 readIt() において、「詳解Swift(8)〜クラスと継承」の「8.3 解放時処理/デイニシャライザを使った例」で述べたように、プレイグラウンドで試す場合には Resources へのテキストファイルの追加とファイルパスの取得が必要になりますが、ファイルパスを取得するためのクラスやメソッドが変更されたので修正する必要があります。
(「Blog by msyk/プロジェクトをXcode 8/Swift 3に変換した時の自動変換結果から変更点をチェックする」参照)

let path = (NSBundle.mainBundle().pathForResource("text", ofType: "txt"))!    // 'NSBundle' has been renamed to 'Bundle'

let path = (Bundle.mainBundle().pathForResource("text", ofType: "txt"))!    // Cannot call value of non-function type 'Bundle'

let path = (Bundle.mainBundle.pathForResource("text", ofType: "txt"))!    // 'mainBundle' has renamed to 'main'

let path = (Bundle.main.pathForResource("text", ofType: "txt"))!    // 'pathForResouce(_:ofType:)' has been renamed to 'path(forResource:ofType:)'

let path = (Bundle.main.path(forResource:"text", ofType: "txt"))!



Qiita/Xcode 8 Release Notes 日本語翻訳メモ

Blog by msyk/プロジェクトをXcode 8/Swift 3に変換した時の自動変換結果から変更点をチェックする

詳解Swift 第3版(Amazon)
 






QuietControl 30 wireless headphones
0 Comments
Leave a comment
管理者にだけ表示を許可する
Top
0 Trackbacks
Top
Calendar
10 | 2017/11 | 12
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
Recent Articles
iTunes


Swift
Categories
Tips
Profile

水月杏香

Author:水月杏香
永遠の初心者プログラマ。

Wish List
WACOM


ARC
Technical Q&A
情報プロパティリストキー
Start Developing iOS Apps Today
BOSE

QuietControl 30 wireless headphones
Reference
NSApplicationDelegateプロトコル
NSArrayクラス
NSAutoreleasePoolクラス
NSBundleクラス
NSBundle UIKit追加分
NSCalendarクラス
NSCoderクラス
NSCodingプロトコル
NSCopyingプロトコル
NSDataクラス
NSDateクラス
NSDateFormatterクラス
NSDictionaryクラス
NSEntityDescriptionクラス
NSEnumeratorクラス
NSErrorクラス
NSExceptionクラス
NSFetchRequestクラス
NSFileHandleクラス
NSFileManagerクラス
NSIndexPathクラス
NSIndexPath UIKit追加分
NSKeyedArchiverクラス
NSKeyedUnarchiverクラス
NSKeyValueCodingプロトコル
NSLocaleクラス
NSManagedObjectクラス
NSManagedObjectContextクラス
NSManagedObjectModelクラス
NSMutableArrayクラス
NSMutableCopyingプロトコル
NSMutableDictionaryクラス
NSMutableSetクラス
NSNotificationクラス
NSNotificationCenterクラス
NSNullクラス
NSNumberクラス
NSObjectクラス
NSObject UIKit追加分
NSObjectプロトコル
NSPersistentStoreクラス
NSPersistentStoreCoordinatorクラス
NSPredicateクラス
NSPropertyListSerializationクラス
NSRunLoopクラス
NSSetクラス
NSStringクラス
NSString UIKit追加分
NSTimerクラス
NSTimeZoneクラス
NSURLクラス
NSURLProtectionSpaceクラス
NSURLRequestクラス
NSUserDefaultsクラス
NSValueクラス

UIActionSheetクラス
UIActionSheetDelegateプロトコル
UIActivityIndicatorViewクラス
UIAlertViewクラス
UIAlertViewDelegateプロトコル
UIApplicationクラス
UIApplicationDelegateプロトコル
UIBarButtonItemクラス
UIBarItemクラス
UIButtonクラス
UIColorクラス
UIControlクラス
UIDatePickerクラス
UIDeviceクラス
UIEventクラス
UIFontクラス
UIGestureRecognizerクラス
UIImageクラス
UIImageViewクラス
UIKit Function
UILabelクラス
UINavigationControllerクラス
UINavigationItemクラス
UIPickerViewクラス
UIPickerViewDataSourceプロトコル
UIPickerViewDelegateプロトコル
UIPinchGestureRecognizerクラス
UIResponderクラス
UIScreenクラス
UIScrollViewクラス
UISearchBarクラス
UISearchBarDelegateプロトコル
UISegmentedControlクラス
UISliderクラス
UISwipeGestureRecognizerクラス
UISwitchクラス
UITableViewクラス
UITableViewCellクラス
UITableViewControllerクラス
UITableViewDataSourceプロトコル
UITableViewDelegateプロトコル
UITapGestureRecognizerクラス
UITextFieldクラス
UITextFieldDelegateプロトコル
UITextInputTraitsプロトコル
UITextViewクラス
UITextViewDelegateプロトコル
UIToolbarクラス
UITouchクラス
UIViewクラス
UIViewControllerクラス
UIWebViewクラス
UIWebViewDelegateプロトコル
UIWindowクラス

AVAudioPlayerクラス
AVAudioPlayerDelegateプロトコル

CADisplayLinkクラス
CAEAGLLayerクラス
CALayerクラス

CGAffineTransform
CGBitmapContext
CGColor
CGColorSpace
CGContext
CGGeometry
CGImage
CGPath

EAGLContextクラス
EAGLDrawableプロトコル

Foundation Constants
Foundation Data Types
Foundation Functions

MPMediaItemクラス
MPMediaItemArtworkクラス
MPMediaPlaylistクラス
MPMediaPropertyPredicateクラス
MPMediaQueryクラス
MPMusicPlayerControllerクラス

Randomization Services

System Sound Services
Amazon


OpenGL ES
SQLite
Monthly Archives
Recent Comments
Recent TrackBacks
RSS Link
Visitors
QR Code
QR